デジタルリテラシーとは?いま求められる理由と基本スキル
デジタルリテラシーとは、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器を使いこなすだけでなく、インターネットやITツールを正しく理解し、情報を適切に活用する力のことを指します。

なぜ今、デジタルリテラシーが重要なの?
私たちの暮らしや働き方がデジタル化される中で、デジタルリテラシーの有無が「情報格差」を生み出し、個人や社会の中で大きな差をもたらすようになっています。
- オンライン授業やリモートワークへの対応
- SNSや検索エンジンを使った情報収集
- フェイクニュースや個人情報の扱い方に対する理解
これらに対応するためには、単にツールを使えるだけではなく、情報を「判断する力」「取捨選択する力」が求められているのです。
デジタルリテラシーに含まれる基本スキル
分野 | 具体的なスキル例 |
---|---|
情報検索 | キーワード検索、信頼性のある情報源の見極め |
コミュニケーション | メール・チャットのマナー、SNSの使い方 |
セキュリティ | パスワード管理、ウイルス対策の基本 |
情報倫理 | 著作権、誹謗中傷、フェイク情報の理解 |
このようなスキルをバランスよく身につけることが、これからの時代を生き抜く上で欠かせない力となってきています。
次の章では、特に子どもたちに必要な「デジタルリテラシーの力」について詳しく見ていきましょう。
子どもに必要なデジタルリテラシーとはどんな力?
デジタルネイティブ世代と呼ばれる今の子どもたちは、生まれたときからスマートフォンやタブレットに囲まれた環境で育っています。 しかし、「使える=理解している」わけではありません。子どもにこそ、正しい使い方や考え方を身につける「デジタルリテラシー」が必要です。

子どもに求められる主なデジタルリテラシー
領域 | 具体的な力 |
---|---|
情報の読み取り | 検索した情報の正しさを見分ける |
情報の発信 | 自分の意見を適切に書いたり伝えたりする |
情報の共有 | 他人の著作権を守り、マナーを守って使う |
安全性の理解 | 個人情報を守り、トラブルを避ける |
デジタル社会で子どもが直面するリスク
- SNSでのトラブル(誹謗中傷・いじめ)
- YouTubeなどの動画での情報の鵜呑み
- オンラインゲーム内での課金や知らない人との接触
- ウイルスや偽サイトによる被害
これらは「知識」がないと気づけないリスクばかりです。 つまり、機器に慣れているかどうかよりも、「正しく使える力」「判断できる力」が重要なのです。
なぜ子ども期から育てる必要があるの?
思考力や価値観が育つ幼児期・学童期に、デジタルの正しい付き合い方を教えることで、その後のトラブル回避力や情報活用力に大きな差が生まれます。
次の章では、デジタルリテラシーを育てるために具体的にどんな方法があるのかを詳しく紹介します。
デジタルリテラシーを育てるための具体的な方法
子どもや若年層にデジタルリテラシーを身につけてもらうためには、単に「教える」のではなく、日常生活や学習の中で「体験させる」ことがカギになります。ここでは、具体的にどのように育てていけばよいのか、実践的な方法をご紹介します。
1. 検索スキルを育てる
子どもにインターネットを使わせる際、「検索のしかた」を教えることから始めましょう。 たとえば、「カブトムシの育て方」で調べる場合、「ただカブトムシと打つ」だけでなく、「育て方」「飼育」など具体的なワードを加えることで、目的に近い情報にたどり着けることを教えることが大切です。
2. 情報の正しさを比較・検討する機会を作る
「Wikipediaに書いてあるから本当」ではなく、複数のサイトを見て比べることの重要性を体験させましょう。 「同じテーマでも書いてあることが違うね」と親子で話しながら進めると、情報の見極める力が育ちます。
3. SNSやチャットのマナーを学ばせる
- すぐに返信しなくてもいいこと
- 感情的な言葉や批判的な表現を避けること
- 写真や名前を安易に出さないこと
これらは、SNSやチャットアプリを使う際に、「暗黙のマナー」ではなく明文化して教えることが重要です。
4. デジタル作品を作る体験
動画作成やプログラミングなど、自分で「作る」体験は、創造力と同時に責任感や発信力も育ててくれます。 「どう伝えるか」「著作権を守るにはどうするか」など、実践の中で自然に学べる要素がたくさんあります。
5. 日常会話の中で「なぜそれを信じたの?」と問いかける
ニュースやSNSで見た話題に対して、「それは本当?」「どこからの情報?」と問いかけてあげるだけでも、 情報をうのみにせず考える習慣がついていきます。
続いては、こうしたリテラシー教育を家庭で実践する方法や親ができる工夫をご紹介します。
家庭でできるデジタルリテラシー教育の工夫
デジタルリテラシーの育成は、学校だけに任せるものではなく、日々の家庭生活の中でも自然に取り組むことができます。ここでは、親としてどんな工夫をすると効果的かをご紹介します。
1. 子どもの「なぜ?」に一緒に答える
子どもが何かを検索していたら、「どうしてそれを調べたの?」「どんなことが分かった?」と声をかけましょう。
親子の会話を通して、ただ情報を得るだけでなく、目的意識を持って情報を扱う力が育ちます。
2. 失敗を叱るより、一緒に振り返る
間違った情報を信じてしまったり、不適切な言葉を投稿してしまったときも、「なんでそうしたの?」と一緒に振り返る姿勢が大切です。
「どうすればよかったかな?」と話し合うことで、自分で考える力と責任感が身につきます。
3. 親もリテラシーを身につける姿勢を見せる
「ママも知らなかったから一緒に調べようか」と言える親であることが、子どもにとって最大のモデルです。
子どもは親の行動を見て育ちます。検索の仕方や情報の見分け方を、親が実演すること自体が教育になります。
4. 「使い方」より「考え方」を教える
「YouTubeは30分まで」といったルールだけでなく、「なぜそれが大事か」「どうすればバランスよく使えるか」といった考え方の部分を丁寧に伝えましょう。
5. 学校や地域と連携する
家庭内だけでは限界もあります。学校の授業内容や地域のリテラシー講座などに目を向けることで、子どもを社会全体で支える土台がつくられていきます。
家庭での取り組みが、子どもにとって最初の「情報との向き合い方」を決める重要な出発点になります。
次の章では、教育現場や社会全体に広がりつつあるデジタルリテラシー育成の取り組みについてご紹介します。
教育現場や社会全体での育成の取り組みとこれからの課題
デジタルリテラシーは、もはや一部の専門家だけのスキルではなく、すべての人が身につけるべき「新しい基礎能力」です。 そのため、現在では学校教育や企業研修など、社会全体でリテラシー育成に力を入れる動きが加速しています。
学校教育での取り組み
文部科学省の「GIGAスクール構想」により、小中学校では1人1台の端末導入が進みました。 それに伴い、授業の中でタブレットやPCを使う機会も増え、以下のような内容がカリキュラムに組み込まれつつあります。
- 検索力や調べ学習のスキル
- 情報モラル(著作権、誹謗中傷の理解)
- プログラミング的思考の導入
ただし… 授業時間や指導者の知識に差があるため、学校間や地域間で教育の「温度差」があるのが現状です。
企業や自治体での取り組み
- 企業研修:社員のITスキル底上げを目的とした「DXリテラシー研修」などが導入されるように
- 自治体の講座:子ども・保護者向けに無料のセミナーやオンライン講座を開催する地域も増加中
今後の課題
課題 | 内容 |
---|---|
教える側の知識格差 | 教師や親がデジタル技術に追いつけていない |
一律の指導内容が整っていない | 学校によって教える内容・質に差がある |
子どもを守る法律や制度の整備 | SNSやネットトラブルへの対応が追いついていない |
これからの理想的な姿とは?
- 学校・家庭・地域が連携して学びを支える
- すべての子どもが「正しく情報を扱う力」を持つ
- 年齢に応じて「学ぶ→使う→教える」サイクルが循環する
子どもたちの未来を守るためにも、デジタルリテラシーの育成は今後ますます重要なテーマとなっていきます。
まとめ
デジタルリテラシーを育てることは、単に「パソコンが使えるようになる」だけではありません。 これからの時代を生き抜くための、考える力・判断する力・発信する力を育むことに他なりません。
- 子どもに必要なリテラシーは、機器操作より「考え方」と「判断力」
- 日常の中で、検索や情報の扱い方を一緒に学ぶことが大切
- 学校・家庭・社会の三者連携で、安心してデジタルと向き合える環境を整える
- 正しく学べば、デジタルは子どもにとって最良の学びの道具になる